「冬なのにさ、うっすい服着てるし、怪しい奴だなって思ったけど、なんかほっとけねぇのな。んで、ベットに運ぼうと抱えたら、めっちゃ軽くてさ、久々に女抱えたってのもあんだけど。見ず知らずのあったばっかりの名前も知らない女なのにさ。いろいろ心配になってきたんだよな。なにかよっぽど事情があんだろうなぁって。とりあえず寝かせてさ。その日は、そのまま俺も寝たわけよ。翌日の昼に起きたらさ、まだ寝てんのな。疲れてんのかぁって思って、そのまま寝かしといて、俺は用事すませたり、店の仕込みしたりして夕方になってて、様子見に行ったら、まだ寝てんの。生きてるか心配になって近づいたらすーすー寝息たててんのな。あ、こりゃ大丈夫だって思って。置き手紙と夕飯と置いてさ。店に出たわけ。起きてっかなぁとか、部屋荒らされねぇかなとか、盗んだりしねぇだろうなとか、仕事中そればっか頭に浮かぶわけ。俺頭いっちゃったんじゃねぇかって思ったわ」
ホント、俺って馬鹿だよなー
ひとり言のようにつぶやくと。
しばらく和人は、ひとりで笑った。
ホント、俺って馬鹿だよなー
ひとり言のようにつぶやくと。
しばらく和人は、ひとりで笑った。


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