和人…。私を拾った人。
この人は、何かしっているのかな?

コンコンッ―


「どうぞ」
「こんちは~」

入ってきたのは、20代後半くらいの男。

「よっ!元気になったか優」

そうだ、優って呼ばれてたんだっけ…

「あっ、その何て言うか私…」
「記憶もどったか?」
「私…なんで、優って呼ばれてるのか、なんであの場所にいたのかも、わからなくて。あなたたちのことも思い出せなくて」
「でも、本当の名前は、思い出せたんだろ?」
「はい。でも、本当に私の名前なのかも…」
「これ見ても、わかんねぇかな?」

目の前に出された財布と携帯。

「中にさ学生証やら、名前が入ったもんやらあっから見てみな?」

名前が入ったものが、この中にある。