部屋の電気も、家じゅうの電気も消して、真っ暗な空間の中で膝を抱える。
思い出せ…思い出せ…呪文のように繰り返す。
それでも何一つ思い出せなくて、だんだんむなしくなっていった。
私は何をしているんだろうか…このまま消えてなくなってしまえばいいのに…

この薬を全部飲み干せば、私は元に戻る?
この違和感や不安もすべてなくなる?

迷いながらも、もとに戻れることを期待してプチプチと錠剤をテーブルに出していく。
飲み物か水はないかと探しにいくと、冷蔵庫の中にはお酒しかなくて、これでもいいかと思ってお酒片手に薬を数粒手にとって飲み込む。

ぐらぐらと意識が身体が揺れるような感覚になって、プチンと意識はとぎれ倒れた。