「そうやってすぐ泣くし…私仕事にでるから、ここでおとなしくしてて。勝手に出歩いたり、いなくなったりしたら許さないから」

無言で頷くと、スタスタと女の人は出ていってしまった。ひとりぽつんと残されて、涙と一緒に、いろんな言葉が想いが次から次に口からあふれでた。とめられない―。


「なにこれ、なにここ、私小山美沙でしょ?なんで違う名前で呼ぶの?なんで分からないの?なんで覚えてないの?どうして?いやだいやだいやだ!!怖い、帰りたい。亜美助けて…亜美……」

亜美の名前を口にして、ハッと亜美が、もう近くにいないことを思い出した。
あれからどれだけ時間がたったの?
数日?数ヶ月?数年?