何度も雨に濡れたせいか、下着までびしょびしょに濡れていて気持ち悪かった。重たくなった服と下着を全部籠に入れる。
雨で冷えた身体にタオルをまいて部屋の奥へとすすむ。
ゾクゾクとした寒気が身体をなぞる。気温が低いのか、身体が冷えすぎているのか、それとも何かに恐怖しているのか。

女の人がいる部屋は、テレビとベッドと小さなテーブルがだけがあって、床には今まで着ていたような服が数着脱いだまま。


「自分の部屋にきても分からないって言うつもり?」
静かな声で女の人は言った。分からないもなにも、知らないものは知らないのに…。

「ごめん…本当に分からない」

自分のことが、こんなに分からないなんて…
悲しくて悔しくて怖くて、そんな感情が押し出されるように、涙があふれてくる。