扉をあけた先は、お店じゃなくて、普通の家のような感じ。ドタドタと女の人は部屋の奥へと消えてしまった。

濡れたままの格好で、あがっていいかも分からなくて、玄関に立ち尽くしていると、タオルと籠をもって、女の人が戻ってきた。

「風邪引かれたら困るから服脱いで、タオルでふいて。濡れたのは籠にいれて」
「うん…」

この人、本当は優しいんじゃないだろうかと思った。
「脱いだら部屋きていいから」

それだけ言うと、また部屋の奥へと消えていった。