二人の怒鳴った声が、静かに消えて、私の荒い呼吸の音が聞こえる。心臓は、今にも飛び出すかってくらい早く強く脈打つ。

「もう嫌!なんで私、こんな変な服着て、見ず知らずのあんたに命令されて、怒られなきゃいけないの!」

バチンッ―

かわいた音が響いて私の頬に、痛みがジンジンと熱くひろがる。痛い―

「ごちゃごちゃうるさい!そんなに言うなら、私の家に気なさいよ!今迄してきたこと見せてやるから自分の目で確かめて!」

そう言うと強い力でまた、私の手首を掴んだ。

「痛い痛い!離して!離せよ!!」

手を離そうと精一杯力をだすけど、びくともしなかった。グイグイひっぱられて半分引きずられるような形で、つれていかれた。