冷たい。冷たい…。
ここは、どこ?

暗やみの中うっすらと目をあけると、見慣れた公園だった。

「あれ…?なにしてるんだろ。亜美と待ち合わせしてたのかな?」

携帯を開くと、知らない番号とアドレスばかり。まわりを見回しても知り合いはいない。

灰色の雲から落ちてくる雨は、濡れた身体をさらに冷やす。

真っ黒…真っ黒…。
靴も、服も、持ち物も。
全てが真っ黒。しかもふりふりとした服。メイドかなにかのコスプレかと思ったけど、少しずつ頭の中が混乱していって、姿を確認するために公園のトイレに入った。