花梨と一緒に、お母さんと一緒に、また笑いあって、あたたかい家族になれるのかな…。

「お姉ちゃんも、おうちにくる?」
「今日は、行けないんだ。今度くるから」
「え〜花梨とあそんでくれないの」
「今度あそんであげる。約束するよ」
「え〜今日がいいもん。おうち一緒に行きたいもん」
「ごめんね、今度たくさんあそんであげるから。今日は我慢して?」
「え〜やだ〜やだ〜一緒におうちいくの〜」

眠くなってきたのか、腕の中でじたばたしながら、花梨は、だだをこねはじめた。
どうしよう…どうしたらいいんだろう…

「花梨。わがままいっちゃダメ。今日は、お姉ちゃんここに居なきゃだめなんだから。言うこと聞きなさい!」
「やだぁ〜やだぁ〜」

少し強い口調で、お母さんに言われると、花梨は腕の中で泣きだしてしまった。
「花梨。いい加減にしなさい!!」
「うわぁぁぁん。やだぁやだぁ。ママきらい〜あっちいけ〜」
「花梨!!!!」
「小山さん、落ち着いて落ち着いて」

しーちゃん先生がなだめるけど、お母さんも花梨も、よけいに怒鳴って、泣いた。
困った…そう思っていた、お母さんが近づいてきて、花梨を私から引き離した。

「あっ…」 
「今日は、もう帰ります。お騒がせして、すみませんでした」
「え…もう帰るの?」
「このままじゃうるさいだけよ。うるさいとイライラしちゃう」
「わかった…」

さっきまで泣いて弱々しくみえたお母さんが、急にヒステリックにイライラする人に見えてきた。さっきとはまるで逆。