部屋にある電話で、しーちゃん先生が、花梨を見てくれている先生へと電話をかけてくれた。

「もしもし?森田さん花梨ちゃんをこっちに連れてきてほしいんだけど。うん。うん。わかった。お願いします。」

ガチャリッと電話をきると、穏やかにわらいながら、私とお母さんに話しかける。

「係の先生が連れてきてくれますから、少しまってつくださいね。亜美ちゃんよかったね。花梨ちゃんに会えるよ」
「うん。ずっと会いたかったから…」

コンッコンッとドアをノックする音が聞こえた。

やっとやっと花梨に会える!

「失礼します。花梨ちゃん、ママとお姉ちゃんがいるお部屋だよ」

森田先生と手をつないで小さな花梨は、目を真ん丸くしてキョロキョロとあたりを見回す。お母さんを見つけると一目散にパタパタと小さな足音を立てながら駆け寄っていった。

「ママ〜」
「花梨いい子にしてた?」
「うん!ママ?お姉ちゃんは?」
「花梨のお姉ちゃんは、このお姉ちゃんよ」

お母さんが私の方を指差した。花梨は、真ん丸くした目をいっぱいいっぱいに開いて私を見つめる。

「お姉ちゃん?」
「そうだよ。花梨おっきくなっね。花梨は、お姉ちゃんのこと覚えてないよね」
「花梨はね、お姉ちゃんだからおっきいの!おしっこもひとりでいくもん!」
「そっかぁ、花梨えらいじゃん。さすがお姉ちゃんだね」

ほめてあげると嬉しそうに笑って、お母さんの横から私を見たり、お母さんを見上げたり。
かわいいなぁ。赤ちゃんだったのに3年で、こんなにおっきくなるんだ。