「毎月面会の日などは、こちらからご連絡させていただきます。亜美ちゃんが必要なものや、小山さんが亜美ちゃんに渡したいものがあれば規則に反していなければ、こちらに持ってきていただいても大丈夫ですので」

しーちゃん先生の説明を、お母さんは黙って頷いて聞いてた。

ごめんね。お母さん…
すぐに答えられないくらい、私迷ってる…
前と同じようにはなりたくないから…
ごめんなさい

「もう、お話することがなければ、今日の面会は終了しますが、小山さん、亜美ちゃん、どうですか?」
「亜美不自由してたり、必要なものがあるなら、次持ってくるから教えてちょうだい」
「今は、大丈夫。お母さん。花梨に会いたいんだけど…。あっ、でも時間ないかな?もうすぐお昼の時間になっちゃうし。しー先生時間って、あとどれくらいなの?」
「お昼までは、30分くらいだけど、亜美ちゃんがまだ話したりしたいことがあれば、食事をこの部屋でとるようにしても大丈夫だよ。小山さん、花梨ちゃんと亜美ちゃんを会わせてあげますか?」
「大丈夫です…だけど、花梨は亜美のこと分からないかもしれません。お姉ちゃんがいるという話は聞かせているんですが…」
「私は、少しでいいから花梨に会いたい。花梨が私のことわからなくたってもいいから」

ずっと会ってなかった。
少しの間しか、お姉ちゃんとして、優しくできなかったけど。花梨は私のこと覚えてなんかないかもしれないけど…
というか覚えてないだろうけど、それでも会いたくて会いたくてしかたがなかった。