妹が生まれて、すぐにお母さんは、出ていった

「亜美お姉ちゃんは、1人でお留守番できるかな?」

妹を連れて家を出る
お母さんと最後に、交わした言葉
妹が出来たのが、すごく嬉しくて
少しお手伝いするだけで、誉めてもらえるのが嬉しくて
この日も、お留守番して、お母さんが帰ってきたら、またたくさん誉めてもらえる
そう思っていた私は―

「ちゃんとお留守番できるよ!だって私、花梨のお姉ちゃんだもん!」

って、元気に答えたっけ…
まさか、それっきり3年も、お母さんと妹が帰ってこないとも知らないで

「花梨を病院に連れていったらすぐに、帰ってくるから、いい子で待っててね」

いつもより、大きな荷物を持って出かけるお母さん
赤ちゃんは、おむつとかミルクとかいろいろ荷物があるからと、疑うこともしなかったっけ

一時間、二時間…
時計を見上げながら家で待って、お姉ちゃんが帰ってきて、お父さんが帰ってきて、それでも帰ってこない、お母さんと妹―

何が起こっているのかわからないまま、お父さんとお姉ちゃんがバタバタと、親戚に連絡しているなか、泣くことしか出来なかったな…


思い出す度に、胸を締め付けられる悲しい思い出―