50すぎのおじさんと、中学生が抱き合って
涙や鼻水で顔をぐちゃぐちゃにして泣くなんて
はたから見たら気持ち悪い光景でしかないけど
私の中では、何よりもあたたかくて大切な時間だった

ひとしきり泣いて、二人とも落ち着くと
しー先生は、ゆっくりと話はじめた
「亜美ちゃんも分かってるとは思うけど、ここにはいろんな事情で生活している子供たちがたくさんいる。悲しくて…辛くて苦しい思いをして生きてきた子供たちが少しでも幸せになれるように、私たちは、癒したり学ばせたり、生きることをお手伝いしたりする。それは、仕事でもあるけれど、幸せにしたいという強い願いでもあるんだ。独りぼっちで涙を流す子供たちを1人でも多く幸せにするために…」

そう…。ここにいる子供たちは、私も含めて、いろんなものを抱えている。
それなのに、子供たちが笑顔なのは、この人たちがいてくれるおかげ。
あたたくてやさしくて、そんな環境の中で生きていられるおかげ。