施設長に、そのことを伝えにいく

「しー先生…?今話大丈夫?」
部屋のドアを少しだけあけて顔を覗かせる
「どうぞ、入っておいで」
優しい笑顔で部屋に入れてくれた
「何かあったのかな?」
真っ赤に腫れた目を見て心配そうな顔で私を見る
「ううん。何でもないの。考えてたら泣けてきただけ」
「お母さんのことかな、イキナリじゃびっくりしたね。少しは落ち着けたかな?」
「落ち着いたっていうかは、スッキリした。完璧にではないんだけど」
そう、完璧になんかじゃない…
胸の中はなんとも言えない感情がまだ残ってる
だけど、お母さんに会って、そこで自分がどうするかは、心の中で決まってる



※しー先生
施設長のニックネーム
しせつちょうの、「し」から、しー先生とか、しーちゃんと呼ばれていました。