見慣れないホテルにつくと仁は優を降ろして部屋番号を伝える。

「行けば分かるから」

それだけ言って帰ってしまい、優は、ひとりポツンと取り残されて、ため息混じりの深呼吸をひとつして言われた部屋にむかう。

「507号室…507号室……」
まったく来たことがないホテルの中でキョロキョロとまわりを見渡すと、ひときわ目立った色の扉があって、そこには507と書かれていて、コンコンと軽くノックをしたら中から茶髪の若い男性が出てきた。