嬉しそうに卓哉が笑うから 苦しくても、切なくても傍にいたいと思えた けれど一番の理由は ただ卓哉が好きだからなんだと思う 「あったかい、タキちゃん」 月夜に照らされ抱き合う私たち けれど心は寄り添うものなんかじゃなくて 聞こえないほど小さな声で私は 「卓哉はずるい」 そうぽつりと呟いた 「え?」 きっと卓哉はその意味を知らない