二回ノックをして、扉を開けると
そこには、ずっと会いたかった7人の姿。
それと、多分社長とスタッフさんが何人か。
「それでは、名前と年齢を教えて下さい」
「はい、安原 珠希。18歳です。」
「それじゃぁ、なにか特技を披露して下さい。」
「はい。」
ギターを準備する。
「夢のチカラを、ギターを弾きながら歌います。」
ピックを持つ手が震える。
震える手を押さえながらゆっくり弾く。
声も震えた。
だけど、しっかり。
響かせるように。心に残るように。
心を込めて歌った。
「〜♪」
「なるほど、ダンスは?」
「出来ます!」
「うん、分かりました。結果は後日、送らせていただきます。お疲れ様でした。」
「ありがとうございました」
最後に微笑んで、部屋を出る。
扉を閉めた途端に、力が抜ける。
・・・これで、決まる。
(神様。出来るなら、良い結果を。)