takahiro's story
「嫌っ・・・やめて」
目の前で俺を拒む彼女は、
俺の兄の彼女。
後から好きになったのは、俺。
欲しいものはどんな手を使っても手に入れたい俺は、
彼女を騙し俺の部屋に連れ込んだ。
細い首筋に唇を落とすと、弱い力で拒否する。
そして、涙混じりの声で否定の言葉を出す。
全てが俺を煽る材料でしかないのに。
心が何度拒んでも何度否定しても
身体はもう俺のもの
小さな唇にキスを落とそうとすれば、
より一層否定する。
手に入らないものほど
心が欲するともしらずに。
否定の声をかき消すように荒く口づけをすると、
絶望にも似た瞳が俺を睨む。
堕ちるならとことん堕ちよう。
一緒に・・・どこまでも。
一緒に滅びゆこう
(たとえ何度も傷つき、傷つけたとしても)