Shuta'S StOry


俺は兄の彼女が好きだ。


初めて兄ちゃんが彼女を連れて来た日。

恋に落ちた。
いわゆる一目惚れ。


だけどあの2人はもうすぐ結婚する。


俺はどうすればいいんだ?



―――――次の日。




彼女が家に来た。


「秀太くんっ!結婚が決まったの!」


玄関で嬉しそうに俺に話し出す。


「やっと、結婚できるよっ」



家には俺ひとり。


その優しい笑顔を、
その幸せそうな瞳を



奪うことだって出来た。



だけど臆病な俺は、
やがて俺のせいで濡れるであろう瞳を
崩れるであろう笑顔を受け止める勇気はなかった。



だから、
最後に強がりを言うよ。



「幸せに・・・なれよ」



ほら、そうすれば君は嬉しそうに頬を染める。


君との関係が滅ぶことを恐れる僕は、
ただ、幸せを願うしか術を知らなかった




僕が犠牲になり、滅びよう
(愛し合う2人の為の最後の強がり)