「だから…慎、止めないで。
俺は母さんにお星さまあげたいだけなんだ。」






俺の周りでは大人達が感動して。
今度はヒクヒクともらい泣きをしている。







しかも。





あろうことか


「ボク……。」


あんなに必死になって、仁を止めていた職員までもが泣いている。








役者だ。

仁は役者だ。

人を巻き込んでたらしこむ術を知っている。





「慎。いいでしょう?
俺のお願い…聞いてよ。」






ウルウルの瞳で健気なセリフ。

仁の言動に他のやつらは胸を打たれて、アイツの無理なお願いを聞き入れてやろうとしてる。








だけどな、仁??







「バーカ。オマエの手はお見通しなんだよ。」