美咲が急に真剣な表情になった。

「どうかした?」

「知穂先輩以外の先輩方は引退したじゃないですか?もう受験が近いし・・・。」

「そうね・・・。」

「私、知穂先輩にも勉強に専念して欲しいんです。・・・私達に恋愛部を任せて貰えませんか?」

知穂先輩は考え込んでいる表情を浮かべた。


「私達じゃ不安ですか?」

「そういうわけじゃないけど、何か引退したくないの。」

「・・・やり残したことがあるんじゃないですか?・・・先生のこととか。」


「そうかもね・・・。」

知穂先輩は切なげな表情で外を見た。


「・・・引退するわ。後輩に心配かけたくないもの。」

「いつでも遊びに来て下さいね?」

「わかったわ。」