−ドンッ


イタッ−




廊下で誰かにぶつかった。

その瞬間、
抱えていたファイルや教科書が
バサバサッと床に散らばる。





「いってぇなぁ!デブス!!」


「オイオイィ、言っちゃったよー。」


「お前ハッキリ言い過ぎー。」






男子の3人組だった。

私の方をチラチラ振り返りながら
ケラケラ笑いこけて離れていく。





「………。」




私はずり落ちてしまったメガネを
グイッとあげて、
床に散らばった教材を集めにかかった。




薄い教科書が自分のパンパンに張った
太い指のせいでなかなか拾えない。






でももう慣れた。

嫌でも耐性はつく。