フル・ムーン




気がつけば、彼は私の目の前にいた。



「どうして泣いてんの」



彼の人指し指が、こぼれる涙を3粒くらい拾った時

わたしは一歩退いた。



人が、自分の心に入ってくるのが怖かった。

いつも明るく元気なはずのわたしが、体を強張らす理由。

彼は驚いた様子でわたしを見つめた。



「俺は美月を迎えに来たんだよ」

「…迎えにって、どこへ?」





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