頭から、頼子の話が離れない。


「じゃあおつかれさま。気をつけて帰ってね??」

5時過ぎ。
司書さんに言われ、あたしは図書室を出た。


「もー大高先生ったら。」


「やっぱ変すかね。」


楽しそうに話す声。


廊下の先には大高先生と有川先生がいた。


「あ…」

息が、できない。


すると大高先生はあたしに気づいたらしい。


「鹿島ー。帰りか??」


「あ、はい。」


「なんか、顔色悪いぞ??」


やばい。泣きそう。


「大丈夫です。それじゃ、さよなら。」


「おぉ、さよなら。」


泣くな、泣くな、泣くな。

込み上げてくるものを押し込めてあたしは歩き始めた。