ごめんね、先生。



急いで訂正する先生も、可愛い。


「じゃあお願いします。」


ぺこっと頭を下げる。


まさか自分でもこうなるとは思っていなくて、焦っているあたしとどこか冷静なあたしがいる。


…複雑ですな。


「おう。じゃあこの仕事だけ終わらせっから待ってて。」


右腕をさすりながらまたシャーッと滑りながらパソコンの前に戻る。


カタカタと心地よいキーを打つ音。
なんだか頼りない背中だと思う。

でも、好きなんだよな。


「よし、終わった。」


そんな声が聞こえたのは8時半前だった。