「あ、そうなんですか…」
「棗くんさ、いつも本読んでただろ。」
「え?はい。」

たしかに、彼女はいつも本を読んでいた。
ブックカバーがついていたから、中はわからないけど…
「ってまさか!」
「そう。そのまさかさ。彼女が読んでいた本は、ラノベだったんだよ!」
「…そうだったんですか…」

キャラ的にありえねえな~。と思いながらも、納得しちゃえば結構受け止められる現実だったので…
「そして、後からわかったけど、腐女子だった。」
「ええええええええええ!」

腐女子とは、BLなどの同性愛が好きな人のことをいう
そ、それは流石に無いんじゃ…
「ま、まさか。そ、そそんなわけ…。」
「失礼な。人を見かけで判断するな。」
「で、でも…。」

正直納得がいかない俺に、先輩が話だした。
「でも僕がいちばん興味深かったのは…」

先輩は棗さんに駆け寄り、メガネをはずす。
すると…
「よ!へタレ受け!」

棗さんのテンションが上がった。
そして、シャープだった目も、くりんと丸くなっている。
別人のように。
「って、へタレ受けってなんですかァー!」

そして、先輩は僕をスルーし、誇らしそうに、
「このメガネをはずした状態を、僕はリミッター解除と呼んでいる!っていうか今決めた!」
「今ッスか。」

唐突だな。本当に。