僕、坪井宏一郎は、
彼女いない暦イコール年齢ってやつで、
白状してしまえばそこそこオタクで、
ついでにサークルは漫研で、
しかも学校は工業系で生徒の九十パーセント以上が男子っていう状況でありまして。
軽く、諦めてたんですよ。
出会いもへったくれもなく、まぁこのまんま卒業して仕事して…みたいな人生だろうって。
本気で好きになることも、
ましてや誰かが僕を好きになることなんてないだろうって、
そんな感じで。


そんなときに、青天の霹靂。



現れたのは
優しそうに笑うヒトで。

一生懸命で、
でもちょっとおっちょこちょいで、
天然で。

僕の話とか、聞きたがって。
ほら、オタクだから、
細かいとこまで言いたくなっちゃって、
言っちゃって、
「わーごめんなさいキモいですよねー」
とか言うようなときでも受け入れてくれて。


好きになる以外に、僕にどうしろって言うんですか?