ヨダレを拭いていると 「じゃぁ、2人で行く?」 ふぁ? 間抜け面な自分。 「嫌?」 反射的に頭をぶんぶんと横に振る。 「嫌なんかじゃ!むしろ……」 ここで口を噤んでしまった。 あれ? 私、何言おうとした? 「じゃあ、行こうか。多分桐谷辺りがうるさそうだから朝、早めに出て、起きる前に帰ってこよう。」 「そうですね、わかりました。」 私もうるさそうだ。 しぃが。 「あ、あと遥君もか。」 ボソリと呟いた栗塚さんの言葉は私には聞こえなかった。