ーパシッ…… その手が、 成田の頬に触れる事はなかった。 「……!」 月詠が振り向くと、月詠の手を取っていたのは栗塚だった。 「…警部、小杉、この2人を連行して下さい。」 「…あ、あぁ、」 警部と小杉が台所に足を入れる。 「殺人、及び殺人未遂の罪で逮捕する。」 カシャン、 無機質な鉄の音が2人の手首にした。 「それじゃあな」 警部たちは2人を連れて台所から出ていった。 後に残ったのは栗塚と月詠だけだった。 静寂が広がる。