2人達は考えた。冴子を守ろうと…だから2人を殺すために冴子が温泉に来るよう仕向けた。
そして、事件が起こったー‥
話終わると、
一瞬の静寂が響いた。
フッ、と山内が笑った。
「…そうよ、全て私達がやった。冴子を守りたかった。あの時守れなかった代わりに、冴子を苦しめるもの、虐めるもの、全て私達が消してやると思った!!」
ヒステリックな声が響く。
「あなたにわかる!?子供をこの手で抱けない気持ち!日陰の女だから、愛した男の子供を育てられない気持ち!守りたい気持ちが!!」
「………」
「わからないでしょうね!?
私がどれだけ苦しんだか!あの女だって浮気してるのよ!早く彼と別れてほしかったのに!!けどあの女がそうしないから!!
…だから、だから私は……」
ぺたん、と床に座る。
山内は、
焦点の定まっていない目から、涙を零した。
拭うこともしない。
成田が口を開く。
「あと少しなんだ…!あと少しで冴子は、あの子を守る事ができる!あと一人を始末すれば…!」
「…ふざけるな」
月詠が成田の言葉を消す。
「何、だと……?」
成田が言う。


