雨の日の思い出



『優唯は、好きな人いないの?』



‥‥‥‥実は


私にも一応彼氏がいた


好きでもないのに付き合って
しばらく連絡を交わさずに時が過ぎていた。



そのことを慎吾に話すと


『ダメだよ!そんなの今すぐ別れなさい!』

と、怒られた。


慎吾は見た目のチャラさからは想像できないくらい
純粋で真っ直ぐだった。



そうだよね‥

こんなの付き合ってる意味ないよね‥



「わかった。」

といって私は携帯を取り出し
彼氏の賢二に電話をかけた

いつもは2回ほど電話をかけないと出ないはずなのに

都合のいいことに3コールで出た。

『なんだよ』

と、冷たく言い放つ賢二


「なんだよじゃねーよ。てか、早く金返せ。」


『あぁ、まだ給料入ってないから来月になる』


「‥‥もういいや。とりあえず別れてほしい。ごめん、あたし好きじゃなかった。」

そう言うと、電話越しでクスクスと笑っているのが聞こえた


『おぅ、いいよ。俺も今別れようと思ってた』

と、半笑いでいった。