真夜中、アタシは暗い道をふらふらとした足取りで歩いた。


赤信号の横断歩道を歩く。


こんな真夜中だったら、車もめったに通らないだろう。


……………


この軽い判断が人生を変えた。


キキーッ


大きなトラックがものすごいスピードで走ってくる。


アタシは空中に浮いた。


「ドンッ」という鈍い音とともに、周りの世界がスローモーションのように動く。


頭から道路に落ちていく。


漆黒の闇にある輝いて大きな丸い月。




――――それがアタシの見た最後のモノだった――――