目が覚めた。教室で寝ると肩が痛い・・・

いつもと変わらない景色、

友達と喋っている奴、教室で走り回る奴、雑誌を読んでるやつ・・・

俺は何もしない、したくない・・・・

みんな当たり前のことしかしない。

当たり前のことをして何が楽しいんだ?

そう思いながら教室を出る。

俺たちはまだ高校に入ったばっかりだ。

あ、そうか入ったばっかりだから浮かれてるのか、

と、ぶつぶつ言いながら廊下を歩く。

すると後ろからいきなりたたかれた

「おい!リョウヤ!何ぶつぶつ言ってんだよ!」

と声をかけられる

「あ~カズ…別に」

としらばっくれる。

こいつは俺の小学校からの友達で「希一和耶」っていう奴だ。
               (キイチ カズヤ)
俺のことを「リョウヤ」って呼ぶ。

俺の本名は「響輝亮夜」という。
    (キョウキ リョウヤ)

俺のことを「亮夜」と呼ぶのはカズだけだ

みんな「響輝」とか「響夜」と呼ぶ。

ま、何て呼ばれようが気にしないけど。

「おい!今日も行くんだろ?」

カズが笑いながら言ってくる

「まぁな、お前も今日はこいよ」

「おぅ!行く行く!…あ、俺先生呼んでるから行くわ」

「ん、じゃあな」

そう言ってカズに別れを告げた後、俺はまた歩き出す

俺が向かっている場所。

それは屋上だ

いつもそこでは俺の本性が出る。

とても落ち着く空間

ゆっくり階段を上る。

ドアを開けた。

風が顔に当たる…

嗚呼、この感覚いつも同じ・・・

そしてそのまま屋上にある小さなロッカーを開ける。

その中にある物・・・

それはカズにしか言ってない。

俺の宝物、それは…