｢あぁ…お前にしか頼めねぇんだ｣




こちらを振り返ることなくそう告げる土方に､ｽﾞｷﾘと鉄之助の胸の奥が痛んだ｡



"お前にしか頼めない"



それは土方の傍についてから､いつかは言われてみたいと願った言葉｡

それを嬉しくないと感じる瞬間が来るなど考えたこともなくて｡




｢そ､れは…私が､足手纏いだということです､か…?｣




体が震えているのが自分でもわかる｡

目から流れそうになるものも何かわかっている｡

それでも意地でそれを堪え､口を開いた｡




｢んなわけねぇだろ｡お前はよくやってる｡そこらの兵士よりずっと信頼してるさ｣