「俺、飲み物買ってくる。」
―ガタッ
そう言って朔斗は出ていった。
へ…?
なんで…?
私、何かした…?
嫌われちゃった…?
そう思うと急に視界がぼやけ始めてきた。
「葵ちゃん、大丈夫?」
尚ちゃんの言葉に、ただ、
「うん…大丈夫だよ。」
と無理矢理笑顔を作ることしか出来ない。
「ねぇ、葵ちゃん。知ってる?」
次に話しかけてきたのが由樹君。
「………?」
「朔斗ってね、葵ちゃんが初恋なんだよ♪」
「え…?」
まさか、そんな…
「そうそう、だからどうしたら良いかわからないって俺らに相談してきたんだよ!」
「うそ…」
「本当だよ。だからきっと、大丈夫だよ。」
また視界がぼやけてきた。
「うん、有難う…」
「葵ちゃんの泣き虫ー!」
そう言って尚ちゃんが抱きついてきた瞬間、
―ガタッ
音のした方を見ると、朔斗がいた。


