―収録― 次の収録はあっという間で、私はいつになくドキドキしていた。 和泉さんに詞を見せ、和泉さんはただそれをじっと見る。 そして、急に席を立って何処かに行ってしまった。 当然のことにどうしたらよいかわからなく、ただ、不安が過るだけだった。 が、数分後、和泉さんが笑顔で戻ってきた。 「葵ちゃん!採用おめでとう!!」 その言葉に嬉しくてつい涙。 「あはは、これからボイストレーニング受けてもらうから、頑張ってね!」 「はいっ!!!」 こうしてボイストレーニングが始まった。