『“キミがいた”




  ただそれだけで幸せ』





…っ




何とも言い表せない切なさにドキッとした。




一瞬、読むのが怖くなった。




けど、何故か凄く読みたくて仕方なかった。




過去形になった“キミ”。




私は軽く息を飲んで、目線を少しずつさげていった。





「…っ…ふ…ぅ…」




読んでいて、何だか涙が溢れてきた。




「葵…?」




「…っ、これ、読んで…?これ、唄いたい…っ…」




涙を流しながら渡した歌詞に、朔斗が目を通した。