それから暫くの間、先生は何も言わずに側にいてくれた。 「監督さんのところに行こうか。」 先生のその言葉に頷き、監督さんのいる控え室に行く。 もうドラマの撮影もラストに近いのに… 私は俯いたまま歩いた。 そして控え室前まで着いてしまった。 ―トントン 先生がドアをノックした。 すると中から、どうぞ、と声が聞こえた。 「失礼します…」 先生の斜め後ろを歩き、控え室に入った。