「症状を聞く限りだと腱鞘炎だと思われますが、念のため暫く様子を見ましょう。」 「…腱鞘炎だったら、治らないんですか…?」 私は恐る恐る聞いた。 「治らないことはないですが、時間がかかりますね。注射があるんですが死ぬほど痛いらしいんですよ。」 「…有難うございました…」 「それではまた何かあったら来てくださいね。」 病室のドアが静かに閉まる。 それと同時に、私も力なく座り込んでしまった。