「葵、あのね、朔斗さんも尚君もね、葵のこと、知ってるの。」 私のことを知ってる…? 「葵がね、無くしてる記憶を知ってるの。」 「知ってるの…!?」 私、びっくりした。 けど、なんだかピンとこない… と、いうか、すっきりしない感じ。 「何で矢崎さんと波崎さんは知ってるんですか…?」 私は思いきって聞いてみた。 私は恐る恐る二人の顔を見た。 すると… 「え…?」 二人は悲しそうで、どこか寂しそうだった。