『葵!!?』 電話を耳にしていなくても聞こえるくらいの声で、“Saku”が私の名前を呼んだ。 ん…?まって…? この声、聞いたことがある… 確か… この間、先生と受験の話をする前に… そんなことを考えていると、柚寿が話し出した。 「こんにちは、私、葵の友達です。今日は聞きたいことがあって、葵に携帯借りました。」 すると向こうから 『何…?』 と、戸惑ったような返事が返ってきた。