――だ、ダメだ。

頭がついていかないのは、私が恋愛初心者だからだろうか。


今、美虎は私のこと「彼女」って言った――よね?
ってことは、何?

私はいつの間にか美虎に告白して、美虎はあっさりそれをオッケーしてくれちゃった、なんてこと――ある?

ありえるの?
っていうか、喫茶店の中には美虎のお母さんも居るんだよね?

告白した初日に彼氏のお母さんに会うなんて、出鱈目過ぎてもう――。
頭、ついていかないんですけど――。






「結局、二人揃って、バンドメンバーに罠にかけられちゃったんだ、ご馳走様」

これが、後日、ことの顛末を私から聞いてしばし笑い転げていた南の、第一声だったのは、言うまでも無い。