ラブトラップ

南は遠まわしに、けれども確実に攻めてくる。

「でもぉ――」

私は、そんな風に自分の気持ちを客観視することなんて出来ないし。
ましてや、一昨日まで何も思ってなかった人のことを好きだと認めるには相当の勇気が要る。

いつの間にか、パフェもそっちのけで、行儀悪くテーブルに頬杖をついていた。

目の前では、何故か勝ち誇った顔の南がおいしそうに残りのパフェを平らげているところだった。

「ほら。
 これこれ。
 恋をすると、食欲も減退しちゃうんだよね~。
 私、リンがパフェを残すところなんて初めてみちゃった」

――あ、本当だ。
  言われるまで気付かなかった私は、もう、恋の病にかかっているのかもしれなくて。


なんだか、情けない気分になってくる。