ラブトラップ

ライブが終わった直後から、急に私は美虎のことを意識してしまうようになったのだ。

実は、アンコールがかかったのは、十五バンド中、二番目にやったうちのバンドと、ラストを飾った先輩たちのバンドだけだったのだ。

お陰で、最優秀賞しかなかったはずなのに、急遽二番目の優秀賞を作ってもらって表彰されることになった。


最優秀賞のバンドは全員がステージ上にあがったけれど、私たちは時間の短縮とやらで代表者一人があがることになって――。


ステージ上で、誇らしげに急遽作った賞状を受け取りながら堂々とガッツポーズしてみせる美虎の姿を見て、私は確信してしまった。


――コイツに惚れてしまった、と――