ラブトラップ

驚いたのは、私。

だって、三曲しか練習して無いし――。


美虎は後ろを向いて、曲名を告げる。
それは、きっと中学時代からの馴染みの曲なんだろう。私以外の三人は、笑顔で頷いてみせた。


えええーっ
私、どうしよう――っ


その有名な曲は知っているけれど、キーボードをどう弾いたらいいのか、見当もつかないわ。


私が、パニックに陥る寸前。
美虎は、健二のタンバリンを取って私に投げた。


私は必死でそれを掴む。