父親を無視できないなら、別れるしかないじゃんか。



そりゃ、反対を押し切って付き合うのは面倒なこともいっぱいあるかもしれないけど。



それでも侠也には『親を捨てて俺のとこにこい』くらい言ってほしかった。



あたしはずっとそれを望んでた。



あんな冷え切った家族でも自ら捨てる勇気のないあたしに、侠也に背中をおしてほしかった。