「あぁ…まぁいろいろと

ありましてね。」


男性はあまり話したがらない。

何か訳ありのようだ。


「そうなんですか…」


青年はそれを察して

それ以上何も聞こうとは

しなかった。


でも男性はすぐにこう言った。


「やっぱりお話しします。

ここであなたと会えたのも

何かの運です。

それにせっかく案内まで

して下さってるのですから。」


「本当ですか?

先程から少し焦っている

様子だったので

ずっと気になってたんです。」


それから男性は、まわりの

様子をうかがいながら

話し始めた。