P.S.私は幸せです

「美菜子も、働きたい分野は決めてるんじゃなかったっけ?」


「うん、一応ね。アパレル関係か美容関係」


私の母がアパレル関係の会社に勤めているので、おそらくその影響だ。


美容関係は、単なる興味本位である。


「決まってるんだったら、会社も限られるんじゃないの?」


広い範囲で見ずに、分野というワンボイントで探すことができる。


だが。


「それでも多いよ。はあー・・・今から気が重い」


就職活動と聞くと、何十社と受けているイメージが膨らんでくる。


受けても受け付けも落ち続ける。


そして、受かるのは極一部。


優真だからこそ第一希望の大手企業に内定をもらえただけで、それが普通ではない。


受からないのが当たり前だと考えたほうが妥当だろう。


「とりあえず、高松さんに私からもおめでとうございますって言っといて」


「わかった!」


空になった食べ物の前で、それから話は続く。


女子はありとあらゆる話題を持っていて話が尽きない。


それは繭とだからなのか、それが必然なのか。


今、楽しい時間を過ごすことが優先だ。