P.S.私は幸せです

私が発した質問から、ある疑問がふと浮かんだ。


「優真は、私とのことを誰かに話したりするの?」


ただ知りたくて聞いただけだったのに、彼の答えは予想外だった。


「僕?話さないね、絶対」


え、話さないの?


それってどういうこと?


私のことを話す価値なんてないってこと?


色んな理由が頭を駆け巡るが、次の言葉で頭の中が吹っ飛ぶことになる。


「だって、美菜子の可愛いところとか怒ったりするところとか全部僕だけが知ってる」


私のほうを向いて、


「僕はそれを独り占めしたいんだ。誰にもは知られたくない」


だから話さないんだよ、そう言って微笑んだ。


私は顔を逸らす。


ーーーーーそれ、反則だよ。


嫌な理由を考えている私がバカだった。


優真は優真だ。


私を大切に、とてもとても大切にしてくれているんだ。


そのことが心を満たし、知らず知らずのうちに顔が綻ぶ。


そして。


まるで愛を確かめ合っているかのように、お互いが手を握り返した。