先輩と甘い恋 ~Sweet☆Love~





『……っ……。』


何にも言葉が出てこなかった。


「…本当ごめんな…。もっと早く言おうと思ってたんだけど…。」


『……じゃあさ…』


「えっ?」


『…小さい頃私を守ってくれるって言ったのは……嘘?』


「そんなんじゃ…」


『……引っ越しても…頑張ってね。バイバイ。』


私はその場から走って去った。

顔を隠し泣きながら夢中で走った。


智也が引っ越す日、会いには行かなかった。

最後のお別れはしなかった。


会ったらまた傷つけてしまいそうで…。


本当はあの時あんな事を言うつもりはなかった。

笑顔できちんと“バイバイ”って言うだけだったのに……。



その事にはあれからお互い一切話した事はない。